ユニバーサルデザインとは、高齢者や障害のある方などが自由に行動し生活するために障壁をなくそうといったこれまでの考え方ではなく、誰にとっても使いやすく安全性の高い住宅を目指すかんがえかたです。 新築時から将来を考え加齢によって身体状況が変化しても住み続けられるように、あるいは介護が必要になったときにも在宅での介護が可能な住いや、子育て環境に配慮した住環境が求められています。 ユニバーサルデザインのポイント ○フラットな床と手すり ○短くシンプルな動線 ○オープンな空間 手すり設置 転倒の防止や姿勢を安定させるため手すりを設置します。 手すり詳細は右図です 階段には、踏面の先端からの高さが700mmから900のmmの位置に設置します。 バルコニー、2階以上の窓、開放された廊下や階段には転落防止用手すりを設置します 手すり高さは床面から1,100mm以上とし、途中足がかけられる場合には腰壁等または窓台から800mm以上の高さとします。 手すりの間隔については、子供のすり抜けを防ぐため。内法寸法で110mm以下とします。 手すりの取り付けは、直接柱に取りつけるか、または補強した受け材にとりつけます。 適切な支持間隔で取り付け、手すりと壁のあき寸法、30mmから50mmを標準とします。手すりが途中で切れないように設置します。 |
住宅内の段差をなくしたり、手すりを設置したりすることで、転倒の危険性を減らし姿勢を安定させることができ、 わかりやすい動線になるよう部屋を配置し、身体状態の変化に対応できるようにします。便所や玄関など小さく仕切られた空間はバリアとなるので、広い空間を確保します。 車イスを使うことになったときでも、車イスでの動きや介助のスペースが確保できる幅や広さにして、住み慣れた家に住み続けられるようにします。この環境は、子供にとっても安全性が確保され、使い勝手のよい住まいです。 将来のニーズに柔軟に応えられる住宅は、改修費用を抑制することが可能です。最初からユニバーサルデザインに配慮しておけば、特別な仕様ではなくても、簡単な変更で 対応できます。 廊下および出入り口の寸法日常生活空間内の廊下の有効な幅員は、780mm(浴室の出入り口にあっては600mm)以上とし、車イスでの出入りを確保します。 バリアフリー改修で和室の出入り口段差は小さなスロープで解消することもできますが、歩行が不安定な人にとっては、かえって危険となることもあり、その場合は敷居を撤去し段差をなくすようにします。 |
特定寝室、便所の広さ 特定寝室は、内法寸法で9m2以上とし、車イスの乗り入れおよびベッドへの移乗が可能な広さを確保します。 便器は、腰掛式とし、便器と便器前方の壁との距離は1,000mm以上とします。便器と便器側方の壁等の距離も同様に、500mm以上とすることで、介助するスペースを確保します。 バリアフリー改修で、便所までの通路 便所までの動線を短くすることにより、便意を催してからの時間を短くでき、安心感をえることができます。場合によっては、これまでオムツやポータブル便所等をしようしている方が便所での排泄が可能になることがあります。 |
側方へのL字形手すりの設置は、便座への立ち座り動作が安定し、安全に動作ができるようになります。 また、座っている姿勢の保持やお尻を浮かす動作の補助が可能となることから、介護負担の軽減につながります。 また、L字手すりと前方の手すりの併設が有効な場合もあるので、高齢者本人の動作確認が重要です。また便座のかさ上げなどにより、座面を高くし、立ち座りを楽にすることもできます。 |
浴室の空間は、短辺は内法寸法で1,300mm以上とし、浴室の面積は内法寸法で2m2以上とします。 あがり場も介助空間に配慮しておきます。これらの部屋の広さは介助可能な最小面積であり介護する人の負担を考えた場合にはより広い空間を確保することが求められます。 部屋を広げるために壁の位置を変更することは難しいので、全体計画の段階で撤去できる壁と空間をあらかじめ準備しておき、軽微な改造で対応できるようにしておくことが必要です。 バリアフリー改修で、浴室と脱衣室段差は、浴室の入り口の反対側に排水が流れるように配慮し、入り口部分に排水溝をつけることで、段差を解消することが有効です。 また、浴室への移動の介助を容易にするためにドア幅を確保するほか、浴槽へ移動を容易にするためのシャワーチェアを活用するためには浴室空間の確保が必要です。 浴室内の手すりは立ち上がりや座り、浴槽のまたぎ等など様々動作を行う中で滑りやすい床では転倒などの事故の危険性から安全に行われるために有効です。 その設置位置は身体状況に応じて、浴室内の動作を実際に確認した上で、適切な位置にしなければなりません。 |